埼玉在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・

「中小企業の勤め人」に復帰し「浪人」ではなくなりましたので、ブログ名も元通りに戻しました。

早期リタイヤ実現のため、娘の公務員試験の支援に必死のダメ人間

まさにタイトルの通りでして、娘には現役高校生の間に公務員試験を受験させると決めてからというもの、私、ダメ人間は「娘が現役高校生の今年公務員試験に合格して働いてくれれば、専門学校に通うより1~2年早くリタイヤできるわ~。よ~し合格に向けて後押ししてやろ~。」と張り切ってしまいます。

娘の高校生活最後の夏休みは専門学校の公務員試験対策夏期講座に通い詰める日々。友だちはみな半年後の大学入試を控えて駿台河合塾代ゼミなどの夏期講習に通って必死に頑張っていますので、ウチの娘だけが苦労しているわけではありません。娘が通う高校は、自転車で通える近場の高校に進みたいとの本人の希望を尊重したため、長男とは違う県立高校。1学年約800人の生徒を擁するマンモス校で、公立高校としては恐らく国内最大規模ではないかと思います。

この高校、毎年9月初旬に県内の高校では最大規模の文化祭を開催することで知られ、文化祭が行われる2日間に1万人を超える来場客があるのだそうです。その事前準備を夏休みに行うのですが、娘は公務員試験対策講習会に参加し、講習会のない日や講習会が半日しかない日はその文化祭準備に参加する全く休日がないハードな日々。

同じクラスにはすでに推薦入試やAO入試などで進路が決まっている友だちが何人もいて文化祭準備を引き受けてくれており、公務員試験を目前に控えた娘に対して「試験勉強に専念して。文化祭準備は気にしなくていいから」と言ってくれていましたが、高校の近くに住んでいることと、文化祭当日は国家公務員一般職(高卒程度)試験の日程と重なっており、当日の参加がほぼできないことから、文化祭には事前準備の段階だけでも大きく関わりたいという思いがあったようです。

9月に入りますと、毎週日曜日が公務員試験の受験です。原則として娘が独りで受験会場に行きますが、一つだけ、東京都職員(Ⅲ類)試験だけは聞いたこともない駅(小田急線・祖師ヶ谷大蔵)で降りてしばらく歩いて試験会場に向かうことから、このダメ人間が確実に娘を試験会場に連れて行く役割を担ったんです。

電車を乗り継ぎ、新宿駅で鬼門になりそうな小田急線と京王線を間違えずに乗り換えできて祖師谷大蔵駅で降りますと、同じ試験を受験する夥しい数の人々で埋め尽くされており、ただただビックリ。しかも半数以上はスーツをビシッと着こなしている専門学校生。公務員試験に賭ける彼ら彼女らの気迫が痛いほど伝わってきまして、圧倒されそうになります。

彼ら彼女らは年齢が1~2年上であることに加えて、試験慣れしていることと、猛烈に勉強をしてきた自信の裏打ちがあるのか、実に頼もしい余裕の表情を湛えていてもの凄い強敵に見えます。付箋がたくさん貼ってあり、書き込みやアンダーラインが無数にある上にボロボロになるまで読み込んだ参考書を小脇に抱えている受験生もちらほら。こんな人々に勝たなければならないのか・・・こりゃ無理ポ・・・。と、親子そろって一瞬気持ちが萎えそうになりましたが、何とか気を引き締めて試験会場に向かいます。

試験会場(日大商学部校舎)まで娘を連れて行き、「受験番号を確認して試験の部屋を間違えないように。最初にトイレと非常口を確認する。ここから先は、私は何もしてやることはできないが、作文はこの何年かの私との対話(環境問題や教育問題、国際問題など)を思い出すと何らかのヒントがあるかも。では頑張って!」と送り出します。まるでドラマ「下剋上受験」の一場面のようで、気分は阿部サダヲさん。

無事に試験会場に娘を連れて行き、役割を終えた私は、まだ試験会場に向かう多くの受験生の列を逆行しながら駅に向かい、電車でのんびり自宅に戻ります。

夕刻になり、何気なくテレビを視ていましたら、今朝乗った小田急線沿線のボクシングジムから出火して、通過した電車に燃え移った事故のニュースが流れて驚きます。その電車に乗っていた乗客は線路上で降りて避難する事態となったのですが、もしかしたら試験を終えた娘も乗っているのではないかと心配になり、慌ててLINEで連絡をとります。幸いなことにその電車の直前、1本前の電車に乗っており何ら被害は無いとのことでしたので安心しました。と同時に、数分の差で火災被害を回避した娘の強運に、「もしかしたら、この強運が試験結果にも影響するのでは・・・」と思わず期待してしまいました。

この東京都職員(Ⅲ類)を含め4つの試験を受験しましたが、学習期間が短く促成栽培のような勉強法でしたので、一次試験に合格できたのは一つだけ。つまり1勝3敗です。それでも年上で勉強量豊富な人々と戦って一つでも合格を掴み取ったのだから戦果としては十分過ぎると思います。

夏休みに通っていた公務員試験対策講習会を開講していた専門学校には僅かな受講料(8万円程度)しか納めていないに、一次試験合格者には二次試験対策の面接指導まで徹底して行ってくれる大サービス。

私、ダメ人間も娘の二次試験対策で面接シート記入の際にヒントを与えたり、面接での受け答えの対策に必死。

そりゃあそうでしょう、娘が二次試験にも合格して採用内定となれば、夢だった早期リタイヤが現実のものになると思えば必死にもなります。

おかげで二次試験も吉報が届き、娘の公務員を目指す闘いは無事に終わりました。

現役高校生が公務員試験を受験する際は、こうした専門学校の夏休み講習会を利用することをお勧めします。独学ではかなり難しいというのが率直な印象。講習会の僅かな期間しか通っていなかったのですが、もう母校のようなものとまで感じています。もしも現役高校生での公務員試験受験に失敗したら、この公務員専門学校に通わせようと予定していましたが、「入学する前に卒業してしまう」というあまりに嬉しい誤算が生じてしまい、準備していた専門学校2年分の学費や交通費約250万円も必要なくなりました。\(^o^)/ヤッター

この専門学校、あまりにも良心的な指導をやりすぎて、次年度入学予定者を1名失ってしまうことになりました(笑)が、私が保護者として公務員内定の報告と入学辞退のお願いに行きましたところ「おめでとうございます!!よかったですね!!受講態度も真剣で必ずいい結果が出ると思っていました!!」と本気で喜んで下さり、この専門学校の素晴らしさを再認識しました。お知り合いの方で公務員試験や税理士・公認会計士などの資格試験の受験を意識し「本気になったら~」この専門学校への入学を検討してみてはいかがでしょうか。

話題が前後してまとまりがなくなってしまいましたが、この2年間で兄妹を公務員として社会に送り出すことができました。私としては思いついてから10年。ようやくここまでたどり着きました。本当に長かったですが、予定通り、計画通りの結果となり、自らの先見性の正しさが証明されたことは何より嬉しいです。

現在、4年制大学進学率は50%を超えており、大学に進学するのが当たり前という時代になりました。私が大学に入学した昭和58年のそれは約26%ですので約2倍になっています。民間企業では高卒は採用しない方針のところもあり、どうしても大学を卒業しなければならない雰囲気になっているようにも感じます。

ただ、公務員試験だけは「高卒排除」にはならないと思います。公務員試験はさまざまな人々に門戸を開放する必要がありますし、優秀だけど家計が苦しく進学できない子を救済するためにも「高卒公務員」の採用枠は必要です。

霞ヶ関や永田町の官庁で働く国家公務員のほぼ全員が東大や京大などの旧帝大、一橋大、早大、慶大など名門出身の超エリートばかりだと誤解している方はかなり多いと思いますが、意外にも2割くらいは高卒枠で採用されています。

ただし高卒は高卒でも、その県のトップ校であったり、県内では5指に数えられるくらいの進学校出身の人が多いように感じました。実際長男が勤めている省庁の新入職員の自己紹介プロフィールをこっそり見せてもらいましたら、高卒者の出身高校は各県の地場名門校や伝統ある進学校が多かったですね。それだけで判断するのは無理がありますが、あくまで感覚的には、地方国立大学や首都圏のMARCHレベルの大学、関西の関関同立レベルの大学にはなんとか合格できるのではないかという学力を持つ層でなければ高卒枠での国家公務員試験であっても、採用されやすい「高い順位での合格」は難しいように思います。

進学校からあえて大学を目指さずに高卒公務員を狙う人々は全国的に見ますと毎年一定数存在します。また、大学1年~2年の人々や大学中退の方も参戦しています。盲目的に大学を目指す人々が多い中、一歩立ち止まるとこうした進路が見えてきます。それがよい選択なのかどうかは判りません。公務員になったものの高卒であるが故に昇進も昇格もしないかもしれない。職場内での立場が極端に弱いかもしれない。逆にそんな差別はないかもしれない。

それでも安全確実に間違いなく公務員になりたいのであれば、大卒程度の国家公務員一般職試験や国家公務員総合職(いわゆる官僚と呼ばれるエリート)試験や地方上級公務員などのトップレベルの秀才同士の熾烈極まりない戦いの中に飛び込むことなく、勝ち目の無い勝負など避けて、自分は凡人と割り切って同世代の中では一足お先に高卒枠で公務員になってしまう方法が最も現実的。実際そうした選択をしている人々が少なからず存在していることを知識として覚えておいて損はないと思います。