まだ銀行に勤めていた頃のことですので、20年くらい前ですね。私も30代半ば、新潟県に住居を構えていました。・・・といっても銀行の社宅ですが・・・。
さて、とある日曜日の夕刻、全国紙の新聞勧誘員の方がやってこられました。私はテレビで大相撲中継を観ていた最中です。勧誘員とダメ人間の対話です。
勧誘「ピンポーン。こんにちは~」
ダメ「はい、どちらさまですか?」
勧誘「〇〇新聞ですが、購読のお願いに伺いました」
ダメ「私、今、相撲観てますので、また別の日にしていただけませんか?」
勧誘「え、いや、〇〇新聞3か月ご契約いただけませんか? お願いしますよ」
ダメ「次の取組、制限時間いっぱいになりましたのでテレビの前に戻ります。では」
勧誘「え・・・あの・・・、またあとで伺います」
・・・・・・1時間後・・・・・・
勧誘「こんにちは~、先ほど伺いました〇〇新聞です。相撲終わりましたよね~」
ダメ「こんな遅い時間にご苦労さまです。ご用件は何でしょうか?」
勧誘「〇〇新聞なんですけどね、3か月でいいんで、ここにサインして欲しいんです」
ダメ「あ、新聞は地元紙と日経を購読していますので、これ以上増やせません」
勧誘「地元紙を3か月止めて、3か月したらまた地元紙に戻せばいいんじゃないかな」
ダメ「地元紙は子どものころから読んでいて、慣れ親しんでいます」
勧誘「洗剤5個! あと特別にテレホンカードもあげますから、頼みますよ」
ダメ「いや、地元紙に不満はありませんので止める理由がありません」
勧誘「洗剤10個にしますから、明日から入れさせてくださいよ」
ダメ「3つも新聞を読む時間の余裕が無いので、よそのお宅で売り込んでください」
勧誘「読まなくてもいいので、明日から新聞届けますよ」
ダメ「読まれないで捨てられる新聞が気の毒に感じませんか?」
勧誘「そんなことはどうでもいい。では、明日から届けます。ここにサインください」
ダメ「届けるのは勝手ですが、読んでもいない新聞の代金は払えませんよ」
勧誘「そんな・・・。読むとか読まないとかはお客さんの勝手でしょう」
ダメ「3紙の購読は無理ですので、〇〇新聞が地元紙に勝る点を聞かせて下さい」
勧誘「発行部数が日本一です」
ダメ「そうじゃなくて、紙面を読み易くするためどういった工夫がされているとか」
勧誘「・・・」
ダメ「連載している小説や4コママンガが他紙に比べて面白いとか」
勧誘「・・・」
ダメ「囲碁や将棋はどのような棋戦を主催しているとか」
勧誘「・・・」
ダメ「社説は他紙とは違う鋭さがあるとか。書評欄の特徴とか」
勧誘「・・・」
ダメ「テレビ番組欄や株価欄は他紙より読み易くなるよう工夫されているとか」
勧誘「・・・」
ダメ「何年か継続購読して、希望すれば一度は投書欄に掲載される優遇策があるとか」
勧誘「・・・」
ダメ「天気予報欄は一目で判るよう工夫されていて、他紙より優れているとか」
勧誘「・・・」
ダメ「俳句、短歌、川柳の選者の先生は誰か、掲載句数が他紙より多いとか」
勧誘「・・・」
ダメ「論説委員が誰で、どういった実績のある方なのか」
勧誘「・・・」
ダメ「〇〇新聞の紙面が、他紙より優れている点をズバリ説明して欲しいんです」
勧誘「・・・。そんなことを考えて勧誘するヤツなんかいるわけないだろ・・・」
ダメ「洗剤10個とかでなく、商品としての〇〇新聞の優位性が聞きたいんです」
勧誘「それ屁理屈じゃないか・・・」
ダメ「私の言っていることが間違っていますか?」
勧誘「わからない。もうアンタと話していると疲れるよ。もういいっ」
ダメ「あ、いや、他紙より優れていれば購読を考えますよ」
勧誘「いや結構。時間の無駄。帰ります」
こうして新聞勧誘員の方は憮然としてお帰りになりました。私の言っていることが間違っているとは今も思いません。新聞は毎年約5万円も払う高額商品ですので品質で選びたいと考えるのは自然なことですよね。