勤め先では原材料や工具など社内や工場で必要とするあらゆる物品の購買に携わっているため、年末にはお取引先の方が新しい年のカレンダーや手帳をお持ちになって年末の挨拶に来られ、新年を迎えますとタオルをお持ちになり年始の挨拶に来られます。
日頃はお取引先の方々に便宜を図っていただいたり、さまざまなご配慮をいただいてばかりですので、むしろ私の方からお取引先企業に出向いてご挨拶や御礼を申し上げなければならないのですが、年末も年始も遠いところからわざわざお越しいただき、恐縮している次第です。
年始の挨拶に来られる方の殆どが、タオルをお持ちになりますが、その際に質問をして楽しんでいます。その会話を再現してみます。
取引先「あけましておめでとうございます」
わたし「おめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします」
取引先「今年も引き続き宜しくお願いいたします。あ、どうぞこれ使ってください」
わたし「あぁ、これはありがとうございます。工場ではタオルが非常に重宝します」
取引先「喜んでいただけて良かったです」
わたし「ところで、この熨斗紙に描かれている文言、何と読むのか分かりますか?」
取引先「え? この文字ですか? これはなんですかねぇ・・・」
わたし「書いてある文字も判らないのに、平気でタオルを配り歩いている日本人の何て多いことか・・・(笑)ボーッと生きてんじゃ・・・あ、いや、失礼・・・」
取引先「いや~、これが何なのか、考えたこともなかったっすね・・・(笑)」
わたし「そうですよね、これ半分以上の方が読めなかったので安心してください」
取引先「そうっすか。で、これ何と書いてあるんですか?」
わたし「これは、御多織ると書いてあります。読み方はそのまま、おタオルですね」
取引先「御多織る・・・おタオル・・・ですか・・・なるほど、知りませんでした」
わたし「御タオルと書きますと、倒れるという語を連想するので、御多織るまたは御多織留という当て字を考案したようなんです。それぞれの字句も縁起がよさそうですし」
取引先「なるほど、そうなんですね・・・」
わたし「余計なことを申し上げてしまいましたが、今年も宜しくお願いいたします」
毎年1月はこのような会話を楽しんでいます。2月に入りましたので、もう年始の挨拶に来られる方もいませんので、こうした会話は次の正月まで待たなければなりません。