3連休最終日の今夜は気分が滅入ってしまいます。昭和62年の4月に勤め人になって以来今日まで30年以上にわたって、連休最終日の夜の気持ちの悪さは変わりません。昭和~平成~令和と3つの元号にわたって「連休最終日うつ病」を患い続けていますので、生粋の、筋金入りの「連休最終日うつ病」です。
そんな連休最終日の夜は、無心に古銭を数え、写真撮影でもしましょう。9月9日以来の古銭の紹介。本日は「大型50銭黄銅貨」です。
↓ 大型50銭黄銅貨
この大型50銭黄銅貨、昭和21年銘と昭和22年銘がありますが、私の手許にあるのは全て昭和21年です。昭和22年は流通前にほぼ全て回収鋳潰し処分となったため現存するのは極めて少数で、古銭展示即売会などでは20万円くらいで売られているのを見たことがあります。
表は鳳凰と唐草、裏は稲穂、鍬、つるはし、歯車、魚が描かれており、これは戦争で破壊された国を農業、工業、水産業などから立て直そうという国家の意志を感じます。これは現在私たちが日常的に使用している5円硬貨の歯車、稲穂、水面で農業・工業・水産業の振興を願う意匠と考えが非常に似ているように感じます。
また、戦時中に薬莢や弾帯に利用した黄銅が終戦によって大量に余り、その黄銅スクラップを利用して戦後数年の間に次々と50銭、1円、5円といった硬貨が発行されましたが、そのうち5円硬貨はほぼ同一の意匠で現在まで70年間発行され続けています。現在も5円硬貨の材質が黄銅であるのは戦後のこうした事情が背景にあります。
現在私たちが何気なく使っている5円硬貨の意匠や材質から掘り下げていきますと、戦後すぐに発行されたこの大型50銭黄銅貨にたどり着きます。
↓ 大型50銭黄銅貨の直径は23.5ミリ、量目4.5グラムで10円硬貨と全く同じ
大型50銭黄銅貨は「日本政府」発行です。占領下の日本では現在のような「日本国」や戦前のような「大日本」とすることはGHQから許されませんでした。
↓ 手許には480枚ありました。10枚×8列×6段で並べてみます
↓ 近づいて撮影
↓ さらに近づいて撮影
↓ 規則正しく並べられていた硬貨を崩します
↓ 近づいて撮影します
↓ もっと近づいて撮影します
ユウウツな連休の最終日の夜、73年前に発行された古銭に元気づけてもらいました。明日からなんとか頑張ります・・・。