埼玉在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・

「中小企業の勤め人」に復帰し「浪人」ではなくなりましたので、ブログ名も元通りに戻しました。

徳勝龍優勝、今日の朝刊は永久保存にしよう

昭和40年代半ばから約50年にわたって大相撲を観戦(テレビ桟敷ですが・・・)してきましたが、昨日千秋楽を迎えた令和2年初場所は、50年間(約300場所)観てきた中でも最も印象に残り、最も意外性があり、珍しい記録がたくさん生じた場所になりました。

西前頭17枚目の徳勝龍が14勝1敗で優勝しました。報道されているように幕尻での優勝は平成12年3月場所の貴闘力(東前頭13枚目・13勝2敗)以来20年ぶりです。

ただ、貴闘力の場合は幕尻ではありますが「東前頭13枚目」で、半枚下の「西前頭13枚目」に若の里がいましたので、本当の意味での幕尻ではなかったと考えていました。この度の徳勝龍の場合は、「西前頭17枚目」で幕内最下位でしたので、これこそが真の幕尻優勝です。

20年前に幕尻優勝をした貴闘力は、優勝の場所こそ前頭13枚目にまで番付を下げていましたが、それまで三役を25場所も務め、特に平成8年は、7月場所が小結で10勝、9月場所は関脇で11勝をあげ、大関候補として注目を浴びていた実力者。優勝してもそれほど意外な印象は受けませんでした。

この度優勝した徳勝龍は、この初場所を迎えるまでは、最高位が西前頭4枚目。三役経験なし、三賞受賞なし、平成25年から平成29年までの5年間で幕内を23場所務めていましたが、平成30年~平成31(令和元)年の2年間、12場所のうち11場所を十両で過ごしていましたので、私の印象もすっかり「峠を越えたベテラン十両力士」となっていました。ですので、貴闘力の優勝に比べますと何倍も意外性を感じますし、地味で目立たなかった徳勝龍が一躍時の人になった衝撃度の大きさは大相撲の歴史の中でもひときわ目立つものだと思います。

 

昨年11月場所の徳勝龍は西十両筆頭で11日目を終わって4勝7敗。そこから4連勝して何とか8勝7敗と辛くも勝ち越し、今場所ギリギリ幕尻(西前頭17枚目)にすべり込みます。西十両筆頭で8勝7敗ですと番付運が悪ければ、東十両筆頭に半枚上がるだけのこともあり得ます。また、そのまた前の場所(9月場所)は東十両3枚目で8勝7敗の成績で11月場所の番付を西十両筆頭まで上げていたことも幸運でした。11月場所が十両2枚目でしたら、8勝で返り入幕はなかった可能性が大きかったと思われます。

昨年11月場所の終盤4連勝と、番付運が比較的良かったことがこの初場所の大躍進につながっています。

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初場所の徳勝龍、2日目の魁聖戦で1敗を喫するもその後13連勝して幕内最高優勝に輝くのですが、この1敗が無ければ、昭和32年11月場所優勝の玉乃海(東前頭14)以来62年ぶりの関脇以下での全勝優勝となっていたところでした。しかし残念ながらそれはなりませんでした。

逆に負けた相手が仮に十両力士であれば、昭和36年5月場所優勝の佐田の山(西前頭13)以来の「幕内優勝力士が十両力士に敗れる珍記録」となるところでした。この場所の4日目、西前頭13枚目の佐田の山は、東十両筆頭の清ノ森に肩透かしで敗れています。なお清ノ森はこの場所12勝3敗で十両優勝していますので、この場所は「幕内優勝力士<十両優勝力士」という珍記録が残っています。

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全勝とか、十両力士に敗れる珍記録はなりませんでしたが、昨日の千秋楽の土俵では長い大相撲の歴史の中でも前例がないことがたくさん見られました。

・幕尻力士の「これより三役」登場

・幕尻力士の千秋楽結びの一番での登場

・返り入幕力士の優勝

・西前頭17枚目は史上最低地位での優勝(昭和14年

  初場所の出羽湊と同地位)

 

今後数十年、あるいは100年は見られないかもしれない大相撲の歴史の中でも五指に入るであろう極めて珍しい場面ですので、千秋楽のNHKテレビの大相撲中継は録画しブルーレイで保存しました。

また、今朝の新聞も永久保存にします。数十年後の相撲ファンに読んでもらいたいと思います。

↓ 今朝の朝日新聞11面

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↓ 同27面

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↓ 同1面

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ただ珍しい場面というだけでなく、徳勝龍の名が全国に知れ渡り、徳勝龍の今後の人生をも大きく変える場面を見ることができてよかったと思います。1月18日に急逝された近大相撲部の恩師である伊東監督も教え子の大活躍にさぞ喜んでいることと思います。

私はすでに5月場所の初日(5月10日)、国技館での徳勝龍の優勝掲額の披露を楽しみにしています(^^)