昭和28年7月の「日本アマチュア無線局名簿」の全頁複写が手許にあります。25年くらい前に、当時東京都豊島区巣鴨のあった日本アマチュア無線連盟の展示室に伺って複写させていただいたのですが、戦後アマチュア無線再開時点から1年の間にアマチュア局を開設された方々の詳細なデータが判り非常に興味深い資料です。
67年前の資料とはいえ、当時アマチュア無線局を開設してる方々の氏名、住所、電話番号、生年月日、アマチュア局免許の日、勤務先や学校などの個人情報満載ですのでここではお見せ出来ないのが残念です。
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この「日本アマチュア無線局名簿」を捲っていきますと、参考資料として「全国民間放送一覧表」が掲載されています。現在では民間の中波ラジオ放送局の数は全国で48局ありますが、昭和28年7月当時は19局しかありませんでした。
↓ 昭和28年7月の「全国民間放送一覧表」
地域別では・・・
北海道 1局
東北 1局
関東 2局
東海 2局
信越 2局
北陸 3局
関西 4局
中国 1局
四国 1局
九州 2局
広い東北6県では仙台の東北放送1局のみ、中国地方5県でも広島のラジオ中国1局のみ、四国4県では徳島の四国放送1局だけしかないのですが、信越2県(新潟、長野)と北陸3県(富山、石川、福井)の合せて5県には全て放送局が揃っています。このあたりのアンバランスの理由や背景を知りたいと思います。偶々そうなっただけだったのかな・・・?
わが国の民間放送第1号は名古屋市の中部日本放送で、昭和26年9月1日に放送開始をしましたが、同日に大阪市の新日本放送(現在の毎日放送)も放送開始をしています。この日、朝6時30分に放送を開始した中部日本放送が歴史上初めての民間放送局となり、その5時間半後の正午に放送開始をした新日本放送が第2号となりました。
ちなみに第3号となった朝日放送(大阪市)の放送開始日は同年11月11日。明後日が放送開始69年の記念日ですね。
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この一覧表をよく見ますと、特に地方の放送局は空中線電力(出力)が小さいことが判ります。当時のラジオ受信機の性能を考えますと、安定して聴取できるエリアは限られていたのではないかと考えます。