今日は第68回NHK杯テレビ将棋トーナメント決勝、羽生九段×郷田九段の放送日。朝早く起床して放送時刻を待ちます。
↓ NHKのサイトから
以前はNHK杯戦では圧倒的な強さを誇っていた羽生九段ですが、この5年間はトーナメントの早い段階で敗退することが多くなり、11回目の優勝は見られないのかと考えたこともありました。
羽生九段も郷田九段も贔屓していますが、今日は羽生九段に11回目の優勝を飾って復活の狼煙を挙げてほしいと思っていました。
結果はすでにさまざまなメディアで報じられているように、先手番の羽生九段が77手で勝ち、NHK杯は11回目の優勝。棋戦優勝回数も45回となり史上単独1位に躍り出ました。本当に嬉しかったです。\(^o^)/
今日の将棋でも羽生九段の53手目の4三歩打と71手目の3五桂打といった永く語り継がれることになりそうな手が飛び出しました。当然録画をしてありますので、繰り返し観たいと思います。
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羽生九段のNHK杯優勝も嬉しかったのですが、その前に放送されていた「将棋フォーカス」(=午前10時~10時30分)でも感動的な場面がありました。
2015年(平成27年)4月から4年間、「将棋フォーカス」の司会進行を務められた乃木坂46の伊藤かりんさんと山﨑八段、中村七段の3名が今日の放送を最後に司会進行を降板されました。この4年間、明るく爽やかなこの3名の方々の司会進行が素晴らしく、毎週楽しく視聴していました。日曜日の午前は長くこの番組を視聴してきましたが、この4年間の楽しいムードは過去最高だったと思います。降板は本当に残念です。
実は4年前に将棋初心者の伊藤かりんさんが「将棋フォーカス」の司会進行を務めることになった際に、「この番組の司会進行をするには力不足ではないかな・・・」と心配していました。
女性アイドルが将棋番組の司会進行を務めた前例はありませんし、前任のつるの剛士さんや岩崎ひろみさんはかなりの棋力がある方々で、特につるのさんはアマ三段で芸能界ではほぼ無敵の強豪ですから、その後任が伊藤かりんさんに務まるのかと一層不安に感じました。NHKも随分思い切ったことをやったな・・・とも感じました。
↓ NHK将棋講座テキスト2015年(平成27年)4月号の目次
4年前の将棋講座テキスト4月号、4月5日の特集「伊藤かりんの将棋って楽しい!」が初めての放送でした。
しかも、講座の内容が「勝つための詰みのセオリー・・・頭金の原理」です。さすがにこの番組を長く視聴している方々にとって、いまさら「頭金」「腹金」「尻金」など知らないはずもなく、今から将棋を始める方々に教えるような内容でしたので、「NHKはどうしちゃったんだろう??」とも感じたものでした。
4年前の4月はまだ藤井七段がプロデビューする前で、将棋ブームなど発生していませんでした。それどころか、プロ棋士がAIソフトに敗れたり、対局途中のスマホ閲覧を疑われる出来事などがあり、将棋人気は下落傾向にありました。
そんな逆風がある中で将棋初心者アイドルが「将棋フォーカス」の司会進行役に抜擢されたのですから不安に感じた方が多かったのではないかと察しています。
しかしながら、私の不安は全くの杞憂。伊藤かりんさんは毎週安定した司会進行を続けます。山﨑八段や中村七段のフォローもありますが、見事な司会進行ぶりに驚いてしまいます。
↓ NHK将棋講座テキスト2015年(平成27年)6月号より
プロ棋士の先生に接する姿勢や態度か謙虚で、棋士の先生のどの点がスゴイのかを具体的に知っている点に私はすぐに気づきました。棋力もグイグイ上がっているのが番組を視ていて判ります。
アイドルとしてさまざまな舞台に立ってきただけに度胸はあるのはわかりますが、棋力はかなりの努力を重ねなければ上がりません。
↓ 将棋世界という月刊誌で当時連載されていた「かりんの将棋上り坂」
戸辺七段の直接指導を受けることができたメリットはありましたが、将棋は本人が相当な努力をしなければ絶対に強くはなれません。プロ棋士に教わっても、名人に教わっても、本人が「強くなりたい」と熱望し頑張らない限り絶対に強くはなれません。
かりんさんがメキメキ上達していく様子から相当な努力をしていることが判ります。
また番組企画で武者修行に出掛けて指すこともありましたし、公開対局に臨んだこともありましたが、私などは知らない方と指して負けたり、恥をかいたりするのがイヤですので、あのような勇気ある行動はできません。その点でも本当に立派だと思います。
将棋の普及、すそ野の拡大に大いに貢献されていますし、実力も折り紙付き。アマ初段は文句なしと思います。実は私もアマ初段ですが、伊藤かりんさんの中飛車の強烈な攻めを喰らってグシャグシャに潰されそうな気がします。4年間の「将棋フォーカス」司会進行役お疲れさまでした。また新たな将棋番組や将棋関連の企画で活躍される姿を拝見したいと願っております。全国にはそうしたファンがたくさんいると思います。