大相撲令和元年夏場所は昨日が千秋楽。西前頭8枚目の朝乃山が12勝3敗で初優勝を飾り、表彰式では安倍首相とトランプ大統領が揃い踏み。こんなことは二度とないだろうと思いながらテレビ桟敷で観戦していました。
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ところで、ふと思ったのですが、平成の最後の2年間(平成29年春場所から平成31年初場所まで)は日本出身の横綱稀勢の里が土俵に上がりましたので、日本出身横綱を見たことがない人は今では殆どいないと思います。
平成15年初場所に横綱貴乃花が引退してから約14年間は日本出身横綱が不在でしたので、横綱に昇進した稀勢の里が初めて見る日本出身横綱だという方は、若い方を中心にかなり多いのではないかと考えます。
いずれにしても、稀勢の里のおかげで日本出身横綱を見たことがない方が殆どいなくなったことはよかったと思います。
しかしながら、平成世代の方は、「日本出身横綱」と「日本出身横綱」とが土俵上で対戦する場面を見たことはないと思われます。
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手許に、「相撲 平成3年名古屋場所決算号」がありますが、この場所の千秋楽結びの一番が、「日本出身横綱」と「日本出身横綱」が土俵上で対戦した最後の取組となって現在に至っています。平成元年1月生まれの、「平成世代の中の最長老」の方でもこの場所の千秋楽の時点で2才6か月ですので、ほぼ間違いなくこの相撲を観ていないと思われます。
↓ 「相撲 平成3年名古屋場所決算号」表紙は優勝した前頭13枚目の琴富士
↓ まずは見事平幕優勝した琴富士の星取をご覧ください。14勝1敗の見事な優勝
↓ 8日目、横綱大乃国、現役最後の一番は安芸ノ島に押し出しで負け
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さて、本題の「日本出身横綱」と「日本出身横綱」の対戦ですが、千秋楽結びの一番の旭富士×北勝海です。両横綱共に8勝6敗同士で迎えた千秋楽の土俵です。
↓ この一番の詳報
この一番を最後に、今日に至るまで「日本出身横綱」と「日本出身横綱」の対戦はありません。
この場所の次、平成3年秋場所は横綱北勝海が全休、横綱旭富士2勝4敗で途中休場。
平成4年初場所は北勝海全休、旭富士0勝4敗で引退。その2場所後一人横綱の北勝海も引退し、4場所ほど横綱不在の場所が続きます。平成5年春場所からハワイ出身の曙が横綱になり横綱不在は解消されました。
なお、平成7年11月場所の優勝決定戦は、横綱貴乃花×大関若乃花の兄弟対決になり、この一番を「日本出身横綱」同士の対戦と勘違いしている方が多いのですが、若乃花が横綱に昇進するのはこの場所から2年半後ですので、この優勝決定戦の一番は「日本出身横綱」と「日本出身横綱」の対戦には該当しません。
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さて、私もテレビ桟敷でこの北勝海×旭富士の一番を観戦していましたが、当然のことながら、これが「日本出身横綱」同士の最後の一番になるとは考えていませんでした。ただ、千秋楽結びの一番が8勝6敗横綱同士の対戦になって「あ、珍しいな・・・」と感じていましたので印象に残っています。
今年初場所を最後に横綱稀勢の里が引退し、「日本出身横綱」はまたもや不在になりました。「日本出身横綱」が複数在位し、土俵上で対戦するのはいつのことなのか、かつては全然珍しくないごく当たり前のことだった「日本出身横綱」と「日本出身横綱」の対戦が28年間も無くなり、私などは生存している間に実現するのかどうか・・・、と考えるような事態になるとは当時考えもしませんでした。
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関連して、日本プロ野球最後の完全試合からも25年経ちました。平成6年5月18日に福岡ドームで行われた巨人×広島戦で巨人の槙原寛己投手が達成したのですが、この試合の時点では「平成世代最長老」の平成元年1月生まれの方ですと、5才4か月ですので、平成世代の方の中でも辛うじて記憶にある方が存在するかもしれません。