久し振りに蒐集した古銭類を紹介する記事を投稿します。
3月7日に番外編のような形で「ギザ10」を3000枚並べた写真を投稿しましたが、古銭の紹介は2月21日の「5銭アルミ青銅貨」以来、約2か月ぶりになります。
今回は、昭和13年~15年までの3年間・・・実質は2年余り・・・発行された「カラス1銭アルミ貨」を紹介します。
「実質は2年余り」とはどういうことか、ということからご説明します。
実は、昭和13年の前半は、1銭の硬貨としては「桐1銭青銅貨」が発行されていました。これは大正5年から20年以上発行されてきた貨幣です。
ところが昭和13年6月からは「カラス1銭黄銅貨」に変更され、11月まで発行されます。
そして昭和13年の年末には、今日紹介します「カラス1銭アルミ貨」にまたまた変更されます。したがってこの「カラス1銭アルミ貨」は昭和13年に関しては年末の短期間のみ製造、発行されたものですので、「実質は2年余り」となります。
解りやすくまとめますと・・・
・桐1銭青銅貨 大正5年~昭和13年前半 (銅95% 錫4% 亜鉛1%) 3.75グラム
・カラス1銭黄銅貨 昭和13年6月~11月 (銅90% 亜鉛10%) 3.75グラム
・カラス1銭アルミ貨 昭和13年末期 (アルミニウム100%)0.90グラム
上から順に「桐1銭青銅貨」「カラス1銭黄銅貨」「カラス1銭アルミ貨」
錫や銅といった金属を戦争のために軍に供出するために「1銭硬貨」は昭和13年の
1年間だけで二度にわたり材質やサイズ、量目を変更しました。
この「カラス1銭アルミ貨」は我が国初のアルミニウム貨です。現在、私たちが日常的に使用している1円硬貨と同じ材質です。
アルミニウムは金属の中では軟らかいため、圧延・プレスをして板状にして硬くなった金属板を加熱して徐々に冷ましていく工程を省くことができることや、加工がしやすいことが利点となります。その反面、軽くて安っぽく、摩耗しやすいところが欠点です。当時は物資も人員も戦争に優先的に割り当てられていただけに、多少の欠点は妥協せざるを得なかったのかと考えます。
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↓ カラス1銭アルミ貨(八咫烏が描かれているのでこの名称です)
左上がオモテ、右上が昭和13年、左下・昭和14年、右下・昭和15年
前述の理由から昭和13年の発行枚数が少なく、やや珍しいです。
↓ 直径17.6mm、量目0.9グラム。(1円硬貨は直径20mm、1.0グラム)
1円硬貨と比較してもかなり小さいです。
↓ 実は「昭和十四年」の『四』の字には2種類あるんです
左側の「四」の内部は ㇘㇗ 右側の「四」の内部は ノ㇗ (これがやや稀少)
↓ 左側の「四」を拡大します。殆どはこの字体です
↓ 右側の「四」を拡大します。これはやや稀少です
それぞれの「四」の字の違い、判りましたでしょうか?
やや稀少とはいえ、古銭専門店などでは数百円程度で入手できますので、驚くほど珍しいというわけではありません。
↓ それでは、10枚×10列×10段=1000枚を並べてみます
額面では「1銭×1000枚」ですので、これだけあっても額面では10円です(^^)
↓ 近づいて撮影します
↓ さらに近づいて撮影します
↓ それでは規則正しく並んでいた1000枚をグシャリと崩します
↓ 近づいて撮影します
↓ さらに近づいて撮影します
今回もご覧いただきありがとうございました。\(^o^)/
次回は、今日の記事の冒頭でも触れましたが、この「カラス1銭アルミ貨」が発行される直前の半年間のみ発行された「カラス1銭黄銅貨」を紹介します。