標題の通りです。4月9日の「バナナが贅沢品だったころを知る最後の世代かも・・・」という記事と、なんとなく重なる部分があります。
若い世代の方々には到底ご理解いただけない感覚だと思うんですが、私は今でも、自動販売機で缶やペットボトルに入った飲み物を買う際に、ものすごく躊躇います。
子どものころの感覚(昭和40年代後半)では、自動販売機で100円前後の高価なジュースやコーラ、コーヒーなどを買ってその場で一瞬で飲み干してしまうのはとんでもない贅沢なことで、一部の金持ちの家のこどもにしかできないことのように感じていました。
当時の自動販売機は、今のようにどこにでもあるのではなく、商店の軒先などに置いてあることが多かったでしょうか。コーラ、それにコーラの姉妹品のような炭酸入りジュース(コカコーラならファンタ、ペプシコーラならミリンダ)が、缶やペットボトルではなく壜(ビン)に入っていたように記憶しています。(缶のコーヒーも僅かにありました)
自動販売機によって違いがありますが、80円とか100円を入れて、コーラや炭酸ジュースの入った瓶を引っ張り出して、販売機の前面にある固定式の栓抜きで抉(こじ)って栓(王冠)を外して飲むのですが、小学校~中学校の頃に自動販売機を利用した記憶は殆どありません。それほど裕福な家庭ではなかったためか、家庭での飲食と学校給食以外に食べたり飲んだりすることは大変な贅沢だという印象が強く、ましてやコーラやジュースを一瞬で消費してしまうことに対する罪悪感や背徳感は殊の外強かく、40年以上経った今でも完全には払拭できていません。
現在50才代、60才代、あるいはそれ以上の方ですと、この感覚をなんとなくご理解いただけるのではないかと思います。あ、いや、私だけかな・・・・
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自動販売機で思い出すのは、昭和40年代中頃の百貨店の屋上などによくあった「噴水式オレンジジュース販売機」。オレンジジュースが透明な容器の中で噴水のように噴き出していて、10円を投入すると、紙コップにジュースが注がれるもの。子供のころは1年に2~3回連れて行ったもらった百貨店で、この噴水ジュースを飲むのが楽しみでした。
噴水ジュースの10円でも贅沢と感じていたのですが、その数年後に普及しだした街の自動販売機の80円とか100円というコーラやジュースは異常な高値に感じたものです。
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そんなことから、今でも自動販売機で飲み物を買う際には躊躇いますし、買うにしても100円(最近では120円~130円ですね)払うだけに、果汁100%オレンジジュース(POMジュースだったら最高)とか、トウモロコシの粒がたくさん入ったスープとか、とろけるように甘い乳酸菌飲料を慎重に選んでしまいます。
逆にミネラルウオーターやお茶、麦茶などは、100円以上払って買うのはものすごく損をした気分になりますので、あまり買うことはありません。緑茶や麦茶、天然水などは350ミリリットルとか500ミリリットル入りを自動販売機で買うのも、2リットルペットボトル入りをスーパーマーケットや量販店で買うのも価格の面ではほぼ同じですのでなおさら買うのに抵抗を感じます。
↓ 居住地から徒歩1分の場所にある自動販売機。背徳感が邪魔をし利用できません
自動販売機で飲み物を買うことに心理的障壁があるなど、若い世代の方々には考えられないことだと思います。貧乏くさくてなんだか恥ずかしいです・・・(^^)
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今回この記事を書くにあたって、自動販売機の飲み物について調べてみたのですが、「水」「お茶」に続いて私には買えない商品を見つけました。それは「お湯」です。
乳児の粉ミルクに使う方が多いとのことですが、「お湯」が自動販売機で売られていることを初めて知り驚きました。今日はこのことを知っただけでも価値ある一日だったと思います。どんなことでも新しい知識を得た日は嬉しいですよね(^^)