ふと5月に入ってから古銭を紹介する記事を書いていないことに気づきましたので、今日は昭和8年から昭和12年までの5年間発行された、「10銭ニッケル貨」を紹介します。
↓ オモテが菊と桐の紋章に唐草、ウラは青海波のデザイン。品位はニッケル100%
ニッケル貨は経年による劣化が少ないのが特徴です。80年以上前の硬貨でも傷みが少なく、キラキラと輝きを放つものもたくさんあります。
↓ 昭和8年と昭和9年発行の「10銭ニッケル貨」
↓ 昭和10年 昭和11年 昭和12年発行の「10銭ニッケル貨」
↓ 直径22mmですので、私たちが普段使っている5円硬貨と同じ大きさです
なお、重さは4.02グラム。現在使われている50円白銅貨(4グラム)とほぼ同じです
この「10銭ニッケル貨」なんですが、実は兵器などの製造に必要な特殊鋼や薬莢の材料となる白銅の原料であるニッケルを国内に備蓄するために流通させていたんです。
つまり普段は硬貨として流通させておき、有事の際にはそのニッケル硬貨を一気に回収して兵器などの製造に使い、他の素材の硬貨や紙幣を代替で流通させるという計画です。
昭和8年から12年までの5年間、「10銭ニッケル貨」は約2億546万枚発行されましたので・・・
2億546万枚×4.02グラム=826トン
同じ時期に「5銭ニッケル貨」も5年間で約1億4440万枚発行されていまして、1枚が2.8グラムでしたので・・・
1億4440万枚×2.80グラム=404トン
全国に出回っている「10銭ニッケル貨」と「5銭ニッケル貨」を全て回収すれば、合わせて1230トンのニッケルが調達できる仕組みとなっていました。
ただ、私の手許には兵器や薬莢に作り替えられることにならなかった4キログラムの「10銭ニッケル貨」がこうして残っております。どの程度の量のニッケルが実際に回収されたのかは判りません。
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↓ それでは、10枚×10列×10段=1000枚を並べてみます
↓ 近づいて撮影します
↓ さらに近づいて撮影します
↓ それでは規則正しく並んでいた1000枚をグシャリと崩します
↓ 近づいて撮影します
↓ さらに近づいて撮影します
なお、この「10銭ニッケル貨」は特に希少性は無く、古銭の専門店などでは100円から200円程度で入手できます。
今回もご覧いただきありがとうございました。\(^o^)/
次回は「10銭ニッケル貨」と同じ時期に発行された「5銭ニッケル貨」を紹介します。