今年は新型コロナウイルスの影響で、緊急事態宣言だとか外出自粛、営業自粛で多くの国民がこの2か月くらいは「STAY HOME」に徹してきました。
実際、感染拡大を防止するために、学校は休校措置を取り、仕事はリモートワークが急速に普及。ゴールデンウィークでさえも観光地は閑散とし、高速道路の渋滞も皆無だったと聞きます。
であれば、その副産物として、今年の交通事故による死者数は昨年に比べて大幅に減っているのではないかと考え、公益財団法人交通事故総合分析センターのホームページで調べてみました。
↓ 公益財団法人交通事故総合分析センターのホームページより
今年の交通事故死者数は、元日から5月28日までで、1135人です。
昨年は5月28日までで、1193人でしたので、昨年比で58人減っています。
冒頭申し上げました通り、今年は約2か月にわたってほとんどの国民が外出を控えていましたので、昨年比で2割~3割くらい減っているのではないかと期待していましたが、思ったほど減っていませんでした。やや意外に感じました。
昨年(2019年、平成31年元日~令和元年12月31日までの365日間)の交通事故死者数は、3215人。この数は、昨年5月28日までの交通事故死者数1193人の2.695倍ですので、今年の5月28日までの数、1135に同じく2.695を掛けた数字、3059人前後が今年(令和2年)の1年間の交通事故死亡者数として予想できるかと思います。
ちなみに過去6年間の交通事故死者数を記してみますと・・・
平成26年(2014年) 4113人
平成27年(2015年) 4117人
平成28年(2016年) 3904人
平成29年(2017年) 3694人
平成30年(2018年) 3532人
平成31/令和元年(2019年) 3215人
令和2年(2020年) 3059人 ←私の勝手な予想
着実に減ってはいますが、2か月余りにわたって全国の人々が外出を控えた今年は初めて3000人以下になるかと思いましたので、やや不満な数字です。
とはいえ、交通事故死者数を減らすために外出自粛をしたわけではありませんし、6月から12月までの7か月間、伝染病感染拡大防止に努めながら交通事故発生防止にも努めれば3000人以下に抑制することも可能かと思います。
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なお、私が小学校に入学した昭和45年(1970年)は「第一次交通戦争」と呼ばれている年で、1年間の交通事故死者数は16765人。それに比べれば現在の交通事故死者数は大幅に減っています。(※第二次交通戦争は、一度は減少傾向にあった交通事故死亡者数が昭和55年ごろから増え始め、再び1万人を超えてしまった昭和63年を指します)
50年前の交通事情を考えますと、急速な自動車の普及に道路の整備が追い付いてなく、今思い出しても、砂利敷き舗装道路が散見され、信号機が設置してある交差点はかなり少なく、照明塔やガードレール、交通標識が設置してあるところも現在とは比べ物にならないくらい少なかったと感じます。当時は通学時の児童や生徒の交通死亡事故があまりにも多発したため、スクールゾーンが昭和47年から導入されました。
交通法規を遵守するという人々の意識も今ほど定着しておらず、自動車運転免許などは現在よりも合格基準がかなり甘く、自動車等の安全性能も現在に比べればかなり見劣りします。私が普通1種免許を取得した昭和56年(1981年)でさえ、シートベルトの着用は義務付けられてなく、排気量50cc以下のいわゆる原動機付自転車にヘルメット着用の義務はありませんでしたし、エアバッグなどはベンツ(上位クラス)など一部の超高級外車にのみ装備されている程度で、庶民には関係ないと思われたものでした。
あ、ついつい古い話を持ち出してしまいました・・・。