埼玉在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・

「中小企業の勤め人」に復帰し「浪人」ではなくなりましたので、ブログ名も元通りに戻しました。

続・官製はがき(郵政はがき)どこまで記憶に残ってますか?

一昨日(6月15日)の続きです。

一昨日は昭和56年4月1日から8年間利用された、鳳凰のデザインの40円はがきまで遡りました。

今日はその前に発行された30円はがきから始めます。

 

↓ 30円 麻布菩薩 昭和56年1月20日より発売

f:id:jh0iam:20200616212951j:plain

麻布菩薩=まふぼさつ、と読みます。昭和56年1月20日の郵便料金改定に対応したものですが、このはがきだけは記憶にないと仰る方が多いと思います。

実は、はがきの料金が30円だったのは、昭和56年1月20日から3月31日までの、僅か71日間だけです。

この当時のはがきの料金を解りやすく書きますと・・・

 

20円 昭和51年1月25日~昭和56年1月19日    約5年間

30円 昭和56年1月20日~昭和56年3月31日  僅か71日間

40円 昭和56年4月1日~平成元年3月31日      約8年間

 

で、30円の時期だけが極端に短いんです。ですので、30円はがきの記憶が無い方は多いと思いますが、次に紹介する20円はがきの記憶が残っている方は多いと思います。

関連して、昭和56年用年賀はがきは20円でしたが、翌年(昭和57年用)の年賀はがきは40円に値上がりし、一気に2倍に跳ね上がっています。

 

↓ 20円 駅鈴 昭和51年1月25日より発売

f:id:jh0iam:20200616214913j:plain

昭和51年1月25日の郵便料金改定に対応したものです。昭和56年1月19日まで約5年間利用されました。記憶にある方も多いと思います。

 

↓ 10円 土器 昭和47年2月1日より発売

f:id:jh0iam:20200616215151j:plain

昭和47年2月1日の郵便料金改定に対応したものです。昭和51年1月24日まで約4年間利用されました。このはがきも記憶に残っている方が多いと思います。この10円はがきは私も記憶に残っています。

 

↓ 7円 飛天 昭和44年10月1日より発売

f:id:jh0iam:20200616215509j:plain

「飛天」のデザインの7円はがきは3種類発行され、このデザインは最後に発行されたものです。宛先にも差出人にも郵便番号枠があります。私の持つ最も古い官製はがきの記憶はここまでです。このデザインの7円はがきは昭和44年10月1日から昭和47年1月31日までの約2年4か月発行されました。

 

 

↓ 7円 飛天 昭和43年6月1日より発売

f:id:jh0iam:20200616220856j:plain

「飛天」のデザインの7円はがき3種類のうち、2番目に発行されたものです。昭和43年7月1日の郵便番号制度の導入1か月前から発売になりました。

宛先の郵便番号枠はありますが、差出人の郵便番号枠はありません。代わりに「~あなたの住所にも郵便番号を~」のメッセージが添えられており、郵便番号制度の定着を図ろうとしています。また「郵便はがき」の文字が緑色です。このデザインの7円はがきは昭和43年6月1日から昭和44年9月30日までの約1年4か月利用されました。

 

↓ 7円 飛天 昭和42年8月1日より発売

f:id:jh0iam:20200616221516j:plain

「飛天」のデザインの7円はがき3種類のうち、最初に発行されたのがこのデザインです。郵便番号制度がまだ無かった当時のものです。昭和42年8月1日から昭和43年5月31日までの10か月間しか利用されなかったはがきです。(昭和43年6月の1か月間は、7月1日の郵便番号制度開始前なので、郵便番号枠が無いこのタイプのはがきも並行して発売されていたのかどうかは不明です)

 

↓ 7円 夢殿 昭和41年7月1日より発売

f:id:jh0iam:20200616222525j:plain

昭和41年7月1日の郵便料金改定に対応したものです。「はがき料金=5円」の時代が15年続きましたが、ここで7円に値上がりしました。この7円の夢殿はがきは昭和41年7月1日から昭和42年7月31日までの1年1か月利用されました。

 

↓ 5円 夢殿 昭和36年8月1日より発売

f:id:jh0iam:20200616223738j:plain

はがき料金が長期間5円のためデザインが替わりました。この5円夢殿はがきは昭和36年8月1日から昭和41年6月30日までの4年11か月利用されました。

また、7円はがきになってから今日までの官製はがき(郵政はがき)はタテ148mm、ヨコ100mmですが、この5円夢殿はがきはひと回り小さいサイズで、タテ140mm、ヨコ90mmです。

↓ 写真で見比べてみます

f:id:jh0iam:20200616224323j:plain

ひと回り小さいのが判ります。

 

↓ 5円 国会議事堂 昭和29年6月21日より発売

f:id:jh0iam:20200616224726j:plain

はがきの料金が5円になったのは、昭和26年12月1日で、この国会議事堂5円はがきは2代目の5円はがきです。初代5円はがきの料金表示から「銭(せん)」の単位を削除しました。それまでは「5円00銭」だったのが、このはがきから「5円」になりました。この5円はがきは昭和29年6月21日から昭和36年7月31日までの7年1か月利用されました。

 

↓ 5円00銭 国会議事堂 昭和26年12月1日より発売

f:id:jh0iam:20200616225609j:plain

昭和26年11月1日の郵便料金改定に対応したものですが、はがきの料金が従来の2円から5円に改定されたのが11月1日。この5円00銭はがきは1か月遅れて12月1日より発売となりました。しかも、差額の3円分の切手を加貼したくても切手が不足しており、郵便局で値上げ前の2円はがきに差額の3円の収納印を押印して対応していたようです。この5円00銭はがきは、昭和26年12月1日から昭和29年6月20日までの約2年7か月利用されました。

 

いかがでしたでしょうか、官製はがき(郵政はがき)の歴史を約70年遡りました。ここまで遡りますとご自身ではがきを書いた記憶ではなく、家に置いてあったはがきを見たことがあるといったところではないかと思います。

明後日(6月19日)はさらにここから36年遡ります。戦後の約2年間ではがきの料金が5銭から2円に、一気に40倍も駆け上がる超絶インフレの様子や、戦争による資材不足のため極端に小さいサイズになったはがきをご覧いただきたいと思います。明後日もご覧くださると嬉しいです。