埼玉在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・

「中小企業の勤め人」に復帰し「浪人」ではなくなりましたので、ブログ名も元通りに戻しました。

大正5年~昭和13年に発行された「桐一銭青銅貨」について

6月9日以来、約40日ぶりの古銭紹介です。6月中旬に「官製はがき」の歴史を遡る記事を書いたりしたため、古銭は随分と久しぶりになりました。

今日は大正5年から昭和13年まで発行された「桐一銭青銅貨」を紹介します。

 

↓ オモテは菊の花と唐草、ウラは桐と左右に小さな桜花の意匠

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↓ 直径23.03mm。10円硬貨(23.5mm)とほぼ同じです

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量目は3.75グラムで、これは現在私たちが日常的に使っている5円硬貨と同じです。

また品位は、銅95%、錫4%、亜鉛1%。現在私たちが使っている10円硬貨(銅95%、亜鉛4%、錫1%)とかなり似ています。

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改めて、この「桐一銭青銅貨」の意匠に注目してみますと、オモテ面の菊の花ですが、いわゆる「菊の御紋章」とは異なり、花弁の数が10で花弁と花弁の間隔が空いた菊の花です。また、ウラ面の「桐」ですが、これも古くから続くいわゆる「桐の御紋章」とは違うデザインの桐です。

↓ いわゆる伝統的な「桐の御紋章」はこちら。

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「桐一銭青銅貨」のウラの桐はこの伝統的な「桐の御紋章」とは違っています。

オモテ面の「菊」、ウラ面の「桐」が伝統のデザインを用いなかった背景には、大正デモクラシーのモダンな自由主義の世相が意匠にも反映されているためだと考えられます。

 

↓ 大正5年から大正13年までの「桐一銭青銅貨」

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大正14年と大正15年は発行されませんでした。

 

↓ 昭和2年から昭和13年までの「桐一銭青銅貨」f:id:jh0iam:20200719210355j:plain

昭和元年は12月25日から12月31日までの1週間しかありませんでしたので、「桐一銭青銅貨」に限らず、他の硬貨でも昭和元年銘は全くありません。

昭和3年は発行されませんでした。昭和4年と昭和5年は発行枚数が少ないものの、発行されています。しかし私の手許にはありません。昭和4年も昭和5年も数千円くらいで購入することはできますが、「青銅貨」に数千円を払ってまで欲しいかと問われますと、イマイチ食指が動かないというのが本音です。「銀貨」ならば数万円くらいまで払ってもいいかな、と思いますが・・・。

蒐集家それぞれの価値観の違いがこうしたところに現れます。(^^)

 

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↓ 「桐一銭青銅貨」10枚×10段×15列=1500枚を並べてみます

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↓ 近づいて撮影します

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↓ さらに近づいて撮影します

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↓ 整然と並んでいた「桐一銭青銅貨」1500枚を崩します

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↓ 近づいて撮影します

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↓ さらに近づいて撮影します

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大正5年から昭和13年までの23年間に22億枚も発行された「桐一銭青銅貨」は今の感覚では「10円玉」のようなものだったのではないかと考えます。前述の通り、昭和4年と昭和5年だけは数千円くらいで売られていますが、その他の年銘ですと希少性は無く、30円~200円程度で簡単に入手できます。