毎年さまざまなビジネスワードがメディアに登場しているのですが、私も時代に取り残されないように、新たに見かけたビジネスワードは可能な限り調べています。
最近よく目にする横文字のビジネスワードには・・・
SDGs・・・持続可能な開発目標
VUCA・・・変動性・不確実性・複雑性・曖昧性~将来の変化を予測できない状況
MaaS・・・自家用車以外のすべての交通手段による移動をシームレスにつなぐ新た
な「移動」の概念
BAT・・・・中国のIT3社の頭文字(Baidu、Alibaba、Tencent)
などがあります。アルファベットの大文字と小文字とが混在しているワードはやや憶えにくい印象があり、苦手意識があります(^^)
さらに注目度ナンバーワンのビジネスワードに「DX」があります。
DX・・・・・デジタル・トランスフォーメーション
これは、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念だそうです。
今年元日の日本経済新聞でも、今年はDXへの対応が企業でも本格化する節目の年になりそうだ、としています。
↓ 今年元日の日本経済新聞朝刊(第三部) 「DX拓く」の大見出しが目につきます
↓ 経済産業省のホームページにもDXは非常に大きく取り上げられています
ビジネスパーソンにとっては「DX=デジタル・トランスフォーメーション」は真新しいビジネスワードであり、新鮮で刺激的な響きを感じているのだろうと思います。
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実はこの「DX」というワードは、アマチュア無線や放送受信を趣味とする人々の間では100年以上前から「遠距離通信」「長距離受信」を示すワードとして定着しています。
昨年あたりから「DX」というワードを日本経済新聞や週刊東洋経済などで見かけると、微妙な違和感を覚えるようになっておりました。
自分勝手な言い分であることは百も二百も承知なんですが、私にとっての「DX」は遠距離通信、海外との交信や遠く離れた地の放送を受信することを示すワードで、「CQ」と同じくらい親しみを感じるワードです。
「DX」というワードの主たる意味が「デジタル・トランスフォーメーション」で、従が「遠距離通信や長距離受信」になってほしくはないなぁ・・・、とついつい考えてしまいます。
↓ 遠距離通信を示す「DX」に関する書物は繰り返し何度も読んできました
↓ 昭和9年(1934年)の無線通信関係の書籍にもすでに「DX」の記述があります
この書籍は、誠文社新光社刊 「無線と実験」私設短波実験局出願の手引 で、58頁にある、実験局の通信方法如何? の記述です。「若し遠距離との通信が希望ならば、DEの前に”DX”なる略号を附せばよく・・・」とあります。この書籍は87年前のものですが、海外では100年以上前から「DX」は遠距離通信を表すワードとして使われていたようです。
そしてさらに発見したのですが、「DX」は中学生や高校生が通常利用する一般的な英和辞典にも掲載されています。
↓ これです
これは特別な通信用語辞典などではなく、どの家庭にもあるごく一般的な英和辞典です。
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「DX=デジタル・トランスフォーメーション」という風潮が加速度的に広がり、100年以上続いてきた「DX=遠距離通信、長距離受信」という概念がかき消されてしまったり色褪せてしまうのはイヤだなぁ・・・、と思います。
ブログでしか漏らさない本音ですが、「DX=デジタル・トランスフォーメーション」はビジネスワードとして定着しないでほしいんです・・・・・・。