外出自粛が続き、みなさまに珍しいスポットの訪問記をお届けできない状態が続いています。
今日は生活必需品を買い求めるために外出する機会がありましたので、少しだけ遠回りしまして、JR宇都宮線蓮田駅東口から東へ150mほど歩いたところに設置してある「ゼブラ板付信号機」を撮ってきました。
「ゼブラ板」は正しくは「信号灯背面板」と呼ばれ、信号機の背後に取り付けられた白色と緑色の縞模様をあしらった板のことです。シマウマ(ゼブラ)の柄に似ていることから一般的には「ゼブラ板」と呼ばれています。
この「ゼブラ板」が取り付けられた信号機は、昭和40年代~50年代前半には街を歩いていればどこでも目にすることができたものでしたが、現在では殆ど見かけることはありません。
↓ JR蓮田駅東口近くのゼブラ板付信号機。80m先にもあります(どちらも赤信号)
↓ 地図上の赤い矢印が「ゼブラ板付信号機」です
「ゼブラ板」は信号灯の視認性を高めることを目的に取り付けられるものです。
戦後の我が国は慢性的な電力不足に悩まされ、信号機の光量が不足していた信号灯が非常に見づらかったそうなんです。そこで、光量が不足していても信号灯が見やすくするために白色と緑色の縞模様の板を設置していました。
しかし、昭和30年代に入ると電力不足は解消され、さらに信号機の電球の改良やレンズの大型化により信号機の視認性は大幅に向上します。そうなりますと、ゼブラ板は必要性がなくなってしまいます。加えて「ゼブラ板」が風に煽られて信号機が揺れるといった問題や、派手なゼブラ柄が景観を損ねるとの指摘があり、昭和50年ごろからゼブラ板は撤去されることになります。
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このような事情や背景から、「ゼブラ板付信号機」は瞬く間に姿を消していきますが、例外的に現在でもわずかに残っています。
それは、時間帯によって朝陽や夕陽が眩しくなり信号機が非常に見づらくなるところや、前後の信号機の間隔が近く、見間違いを起こしやすいところ、周囲に派手な色の看板があるために信号機が見づらいところなどは現在でも「ゼブラ板」を取り付けた信号機が設置してあります。しかしその数は極めて少数です。
この蓮田駅東口近くにある「ゼブラ板付信号機」もそうした特別な事情があり現在でも設置されているのだろうと考えられます。