埼玉在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・

「中小企業の勤め人」に復帰し「浪人」ではなくなりましたので、ブログ名も元通りに戻しました。

勤め先の会社で、一躍「時の人」になった私・・・

このところ無線だとかラジオの話題に偏ってしまいがちなので、今日は久し振りに勤め先の話題でも書いてみようと思います。

 

先週末のことですが、勤め先の親しい数人の方々から次々と・・・

「jh0iamさん、経理部に復帰するって噂を聞きましたよ」

「jh0iamさん、15年振りくらいですか? 経理部に戻るのは」

「そのうち正式にオファーが来るんじゃないですか? 経理部に戻れ!と・・・」

「jh0iamさんは4月から経理部だろうとみんなが思ってますよ」

などと声をかけてくるようになりました。

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勤め先の会社の中で、普段は雑用担当単純作業員であって目立たない私が突如として注目を浴びる存在になったようなのですが、自分では身に覚えはありませんし、一体何があったのかも知りませんでした。ただ、社内で親しい方々数人は口々に経理部への配置転換」をやたらと唱えています。

で、今週に入ってその噂の根拠が判りました。現在経理部の主力、エース、大黒柱として大活躍している若手イケメン職員が3月末を以て退職するとのこと。その穴埋めが見つからないので、私が16年振りに経理部に戻されるのではないかと人々が勝手に想像し、その噂が独り歩きしているようなんです。

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確かに16年前の1月まで私は親法人の経理部に属し、日々の出納管理、取引仕訳や毎月の月次決算を行い、年度末になれば決算、申告、納税まで行っていました。勤め先の会社だけではなくグループ会社が数社あり、数社の連結決算、連結納税を採用していましたので、3月末の決算から2~3か月は極めて多忙でツラかった記憶があります。まだ30才代後半から40才代前半の馬力があった頃だったからできたのだろうと思います。

 

しかしながら経営幹部とのソリが合わない私は、16年前に経理部を外されると同時に所属していた親法人を一方的に解雇され、子会社の工場で原材料や資材の調達を担当する係に左遷となり役職も剥奪されました。経理や総務、人事といった部署は経営幹部お気に入りの職員やお友達職員だけで固める方針だったようです。以来16年にわたり、私は工場で原材料や資材の調達や購入代金の支払いなどの職務を担当して今日に至っております。

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しかし、お気に入り職員やお友達職員が牛耳る経理部では力量不足は明らかで、経理業務は不安定になりました。経理・会計に強い職員の補充を必要とした経理部は8年前に有能で即戦力として使える人材を数多く輩出することで知られる会計専門学校を優秀な成績で卒業したジャニーズ系イケメンを新卒採用することに成功し、現在までこのイケメンが経理部のエース、大黒柱として活躍していました。しかしそのイケメンがこの3月末で退職するのです。

このイケメン職員、私とは親子ほどの年齢差があります。彼は簿記・会計の知識が豊富なだけではなく、コンピュータにも精通し、業種が異なるいくつものグループ会社数社の膨大な経理事務を速く正確に美しくこなしていきます。

私はすぐにこのイケメン職員の高い実務能力を見抜き、謙虚で素直な人柄にも気づき、頻繁に替わる税法の改正や償却資産の経理上の取扱いなどについて教えを請うようになりました。いつも親切に解りやすく教えてくれるので本当に感謝していました。

ある時「2級建設業経理士」の検定試験をこのイケメン職員が受験したことがありました。私が過去に合格基準スレスレの70%でギリギリ合格した試験ですが、このイケメン氏は96%で余裕の合格でした。それでも鼻にかけることもなく、私に対しては「一定の年齢を過ぎて、知識だけでなく計算スピードを求められる試験に合格できるのはスゴイですよ」と持ち上げてくれます。イケメン氏は人格も円満で、年齢差を超えて互いにその立場を尊重し合う非常に良好な関係を築くことができました。

社内では人々からイケメン氏の実力を訊かれることがしばしばありますが、私はこのように答えていました。

「同じ試験を受けて私は70点、イケメンは96点。私はこれでも銀行に10年以上勤めていた経験がありますが、簿記・会計の実務に関してはイケメンに勝てません。」

「自動車に例えると、私の能力が2トントラック、イケメンは10トン車ですね」

この7~8年の間、経理部が安定して機能してきたのはこのイケメンの存在が極めて大きかったと断言できます。

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しかし、そのイケメンの高い能力に気付く人が社内ではあまりのも少なく、粗末な待遇を受けてきたのも事実。難解な連結決算、申告、納税を正確にこなしてもそれが何なのかが解らない経営幹部や管理職からは理解も評価されず、多忙にもかかわらず単純作業や雑用を命じられたり、管理職からは冷たく扱われたりで、散々な目に遭っていました。

あるいはこれは中小同族会社の特徴なのかもしれませんが、高い能力を発揮する人に嫉妬し、自然な行動や発言に対して、「俺たち管理職を馬鹿にしている」とか、根拠なく「こいつは経営批判している」などと後ろ指をさされることがあります。私も何か発言すれば「お前は経営批判をする気か? 黙れ!」と何度も糾弾された経験があります。

件(くだん)のイケメン氏、このような同族支配の閉塞的な雰囲気や不当な扱いに嫌気がさしてついにこの3月末で退職することになりました。決算時期に退職すれば、代わりの人材がいない経理部が大混乱に陥ることは当然知っていながらの退職ですが、4月からは誰もが知っている優良企業に勤務することが内定しているので、当然そちらを優先すべきです。彼のこの時期の退職は結果的に会社に巨大な爆弾を投下することになりましたが、退職者の補充人事や適正な人員配置は経営者側の役割であって、退職する者が気に病む必要はありません。

まだ20代後半と若く、実務能力に長けていて、人格も優れているイケメンなので有名な優良企業への転職が可能だったのだろうと思います。本当によかったと心より祝福したいです。彼の人生もこれを機に大きく好転するものと考えられ、自分のことのように嬉しいです。

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ということで、決算期を迎えながら決算業務要員が不足する経理部に経験者の私が戻されるだろう、と考えた方々が勝手に私の経理部復帰を予想しているのですが、それはあり得ません。

16年ものブランクがある私の能力では決算や申告などの難解な業務に太刀打ちできません。現在使っている会計ソフトなどは全く使えません。私は来年還暦を迎える老いぼれです。会社の危機を救わなければ・・・などと使命感に燃えて懸命に奮闘する気力などありません。経理部の人材不足の危機に対して、私が何らかの関係があるといった当事者意識は皆無です。それどころか金属の粉塵や有機溶剤のガスが舞い溶接の火花が飛び散る工場を這いずり回りながら常に辞めることばかり考えている身であることをお忘れなく。

16年前に不当に迫害され、一方的に解雇された親法人の経理部のために頑張るほどお人よしではありません。会社側もそのあたりの事情はよく知っていますので、私には絶対に頼りたくはないと思います。会社側にも意地やプライドがあります。

ただ、どう考えても決算申告業務要因不足の解決方法が見出せないんです。本当にどうするのか興味はあります。繰り返しになりますが、私は業務上のミスやトラブルが生じた際に責任をとって潔く退職するか、キリのいい節目を見つけてタイミングよく退職しようと考えているお気楽な立場。言い換えれば散り際を模索している状態なので、この経理部の危機をどう切り抜けるのかを単に静かに見守る傍観者という立場に徹したいと思います。

ヘンな噂の流布は止めてくださいね(^^)ゝ