埼玉在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・

「中小企業の勤め人」に復帰し「浪人」ではなくなりましたので、ブログ名も元通りに戻しました。

手許にある「CQ ham radio 創刊号」は真贋不明

※真贋(しんがん)とは、ホンモノとニセモノという意味です。

 

毎月19日は、アマチュア無線専門雑誌「CQ ham radio」(=以下CQ誌と表記します)の発売日ですので、今日は書店に立ち寄り、CQ誌3月号を購入してきました。3月号で通巻909号ですので、CQ誌はあと7年半経ちますと通巻1000号という大きな節目がやってきます。

ところでこのCQ誌、通巻900号とか創刊70年とかの節目を迎えますと、表紙にCQ誌創刊号(1946年9月号)を載せることが多いです。

 

↓ 創刊70周年記念号(2016年9月号)の表紙はCQ誌創刊号

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↓ 最近では通巻900号(2021年6月号)の表紙にもCQ誌創刊号が載ってます

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実は私の手許にもCQ誌創刊号がありますが、真贋不明です。つまりそれが本当に1946年9月に発売されたものなのか、あるいはその後に出された復刻版なのかが判らないんです。

 

↓ 私の手許にあるCQ誌創刊号(1946年9月号)の表紙

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↓ 手許のCQ誌創刊号の裏表紙がこちら

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↓ 創刊号1頁目の目次。全32頁、破れ、切り抜き、書き込みなど無く良い状態です

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実はCQ誌創刊号はこれまでに2回復刻版が出ています。

1回目はCQ誌創刊20巻(20周年)記念号(1965年9月号)のとじ込付録として刊行され、2回目は1975年4月12~13日に富士山麓朝霧高原グリーンパークで行われた、第1回全日本ハムベンション(現在のハムフェアのような催事)で来場者に無料配布されたものがあります。

日本ハムベンションで無料配布された復刻版は、表紙をめくると1ページ目にJARL原会長(当時)のハムベンション開催の挨拶文があり、しかも裏表紙右上にはっきりと「CQ ham radio 創刊号 復刻版」と記されていますので簡単に復刻版であることが判ります。

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真贋が判りにくいのは、CQ誌20巻(20周年)記念号(1965年9月号)です。実はこれも私の手許にあります。

 

↓ これです。傷みも無く60年近く前の雑誌にしては良好な状態です

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表紙右上には「とじ込付録 CQ誌創刊号」と目立つように記されています。

 

↓ 目次の頁にも「綴込付録 CQ ham radio 創刊号」とあります

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↓ JARL梶井会長(当時)のCQ誌20年の祝辞(左頁)と、創刊号とじ込付録(右頁)

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付録とはいえ、完全に本誌と一体でとじ込み製本されていますので、復刻版の部分だけを簡単に抜き取れる仕様ではありません。

 

↓ とじ込付録の頁は紙質まで創刊号と同じで、創刊号を非常に忠実に再現しています

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赤い矢印で示した部分がCQ誌創刊号の復刻版とじ込付録部分。紙質まで終戦直後に使われていたものを使い、極めて忠実に再現しています。しかも「復刻版」であることを示す文言は見当たりません。そのため、私の手許にあるCQ誌創刊号は、もしかしたら創刊から20年後に発行されたこの号(1965年9月号)を丁寧に解体して復刻版のところだけを抜き出したものではないかと考えてしまいます。

 

↓ 真贋を確かめるため、製本時の留め具(ホチキス針)を比較します

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赤と白で囲んだ製本時の留め具(ホチキス針)の位置や太さ、長さが異なっていますので、もしかすると私の手許のCQ誌創刊号は復刻版ではなく1946年に発行されたホンモノの創刊号かなと思うのですが、そう断定する自信はありません。

 

↓ 裏表紙、左側が復刻版。赤く囲んだCQの「が復刻版では欠けています

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左側の復刻版の方が「日立の社章」など黒色での印刷がやや薄く、目を凝らして注意深く見ますと、極めて僅かですが復刻版の方が印刷が粗いように感じられます。

 

このように手許のCQ誌創刊号と思われるものと、復刻版との差異はこのように殆ど見られません。ただ、手許にあるものが1946年に刊行されたホンモノの創刊号であろうが、1965年に刊行された復刻版であろうが、内容を読むことができればどちらでもいいので、それほど気にしませんし真贋不明であることも含めて楽しんでいます。

復刻版をあまりにもに忠実に再現しますと、後世に混乱を引き起こしてしまいますね。7年半後の通巻1000号の記念に、もしもCQ誌創刊号をとじ込付録にするのであれば、この点にはご留意いただきたいと思います・・・(^^)