毎週日曜日の朝は比較的遅く目覚めることが多く、今朝も8時半に起床しました。NHKラジオ第2放送にダイアルを合わせますと、「宗教の時間」という番組。今日は「直木賞作家・車谷長吉と歩いた四国お遍路」というテーマで、車谷長吉さんの妻で詩人の高橋順子さんのトークが始まりました。
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車谷長吉(くるまたに ちょうきつ)さんは、平成10年(1998年)に「赤目四十八瀧心中未遂」で第119回直木賞を受賞しましたが、強迫神経症を患い奇行を繰り返すようになります。2015年5月、69才で永訣。番組ではそんな車谷さんを妻として見守った高橋さんが、24年にも及ぶ夫婦生活や、夫婦にとって最も幸福な時間となった四国88か所巡礼の旅についてを語るのですが、高橋順子さんの一言一言が、私の耳から脳にポンッと伝わるのではなく、耳から脳に伝わると同時に、魂にまでジワジワ~と染みわたっていくような感情を抱かせる本当に素晴らしい番組。30分間引き寄せられるように聴き入ってしまいまいた。この感覚は久し振りです。
車谷長吉さんが著名な私小説作家であることと併せて、強迫神経症を患っていることを以前から知っていましたが、実は私も軽度の強迫神経症であると自身で感じていますので、「車谷さんとは多少は共通する部分があるのかな・・・」などと考えていました。それだけに今朝の「宗教の時間」でたまたま車谷長吉さんが取り上げられていて、本当に驚いてしまいました。
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ちなみに私の強迫神経症なんですが、特に「加害恐怖」と「保存強迫」に特徴があり、前者は、自動車運転中に不注意から他人に危害を加えてしまうのではないかと心配するあまり自動車の運転を極力避ける傾向が見られ。また、後者はモノを捨てることに対する抵抗感が強く、新聞や雑誌、書籍などなんでも保存しておき部屋がいっぱいになっています。
逆に、不潔恐怖(いわゆる潔癖症)は平気で、外出から帰宅して手も洗わずに饅頭を手掴みで食べても、「あー、やっちゃったか・・・」と思う程度で済みます。
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さて、私の極めて軽度の強迫神経症などに比べ、車谷さんのそれはかなり大変で、妻の高橋順子さんは車谷さんとの結婚生活は波乱万丈。24年に及ぶ夫婦生活の思い出の数々が日曜日の朝のラジオから30分間流されたのですが、休日の朝に相応しい良い番組でした。
また、このような番組では原典が紹介されます。文芸春秋刊「夫・車谷長吉」高橋順子著 がこの番組の原典です。
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日曜日ですので、午前中はNHKテレビの将棋番組を2時間視聴し、午後すぐに書店に向かいこの書を手に入れてきました。
午後は「夫・車谷長吉」をゆっくりと読み進めます。原典も素晴らしく、ところどころでため息が漏れ、油断すると目から塩からい液体が零れ落ちそうになります。
前述のように、私も一般の方々に比べてやや変わったところがあったり、軽度の強迫神経症であったりして、職場では孤立して家族に心配をかけていますが、それでもこれまで26年以上も支えてくれた妻には感謝しなければならないと感じました。この書では配偶者は「この世のみちづれ」なんです。
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NHKラジオ第2放送で、今朝の 宗教の時間「直木賞作家・車谷長吉と歩いた四国お遍路」の再放送があります。
7月14日(日曜日)
午後6時30分から30分間です。
文学に関心のある方はお聴きになることをオススメします。「宗教」と名がつきますが、NHKで放送している番組ですので、宗教中立性は担保されています。