埼玉在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・

「中小企業の勤め人」に復帰し「浪人」ではなくなりましたので、ブログ名も元通りに戻しました。

銀行のフレッシュマンだったころの珍事・・・

今年11月の貸金業務取扱主任者試験を受験するにあたり、少しずつテキストを読み始めていますが、読み進めるにつれて、銀行に勤めていた当時のことを思い出します。

貸金業者と、「預金」「融資」「為替」の3つを取り扱う銀行とは根本的に違うのですが、民法を中心とした法令などは、銀行で貸付業務に携わっていた当時に学んだことそのものですので、共通する部分が多々あります。

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そんなことで、ついつい銀行に勤め始めた当時の珍事を思い出してしまいました。

私が銀行に勤め始めた当時、それぞれの支店に配属になった男性の新入行員は、まず普通預金や定期預金、積立定期預金などの預金業務を担当し、それから当座預金担当に移り手形や小切手についての実務を学びます。その後内国為替を担当し手形の取立などを学んで預金や為替の概要を学んでから融資担当になり、融資業務をある程度経験してから営業(いわゆる外回り)になるか、或いは融資業務に特に適性があると認められればそのまま融資担当となる場合もあります。また特別な適性があるものは外為を担当することもあります。

私はどちらかといいますと融資と外為が中心でしたが、新入行員のころは預金窓口も経験します。約2週間の預金窓口担当の間に珍事が起こりました。

私の窓口に年配の女性が来られ、バッグの中から紙幣100枚を取り出して普通預金に入金されました。その紙幣100枚を再現しますと・・・・

↓ こんな感じです。1円紙幣100枚。(一応現在も有効な紙幣ですので「見本」の

 表示をしています

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昭和62年の夏のことです。今から32年前のことですが、さすがに当時でもこの1円紙幣は市中に出回ってはいません。この当時で45才以上の方ですと、戦後すぐの時代に実際に通貨として使用した記憶があるようでした。

私は古銭や紙幣を子どものころから収集していましたので、当然この1円紙幣が当時でも通貨として有効であることを知っていました。速やかに枚数を数えて普通預金に100円の入金の操作を行いました。

↓ 紙幣100枚の束で100円。左側にある100円硬貨1ケと同じ価値です

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現行通貨とはいえ、戦後42年を経てこの紙幣を預金として受け入れることになるとは思ってもいませんでしたのでビックリしました。この紙幣を持ち込まれたお客さまに訊きましたら、ご自宅の物置の片隅にある棚の中から出てきたとのことです。この写真にある紙幣に比べて、当時持ち込まれた1円紙幣は傷みが激しかったので、わたしが両替して持ち帰ることはせず、日銀に送ってしまいました。周りの若手職員からは「どうしてこの紙幣が現在でも有効なものと知っていたの・・・?」などと質問されて嬉しかったです。

↓ 日本貨幣型録より「令和」の時代になってもこの紙幣は1円として有効です

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↑ 「現行」の2文字が示すように、法令では現在でも1円として使えることになっています。といっても普通の店舗などではこれが通用する通貨であるとは判ってもらえないと思いますので買い物は恐らくできないのではないかと思います。銀行や郵便局でしたら、どの店舗にも現行通貨の見本リストが置いてありますし、入金を拒否できないことにはなっているようですので、1円として預金できるかも知れませんね。試しにやってみようかな(^^)