手許にある現行の硬貨や古銭を順次紹介しておりますが、昭和40年代~30年代から始まって、現在は第二次大戦直後にまで遡ってきました。前回は9月16日に昭和21年発行の「大型50銭黄銅貨」を紹介しましたが、本日は昭和20年(終戦後)~21年の2年間発行された「稲10戦アルミ貨」を紹介します。
表が稲穂、裏面が桜のデザインの「稲10銭アルミ貨」は現在私たちが使っている1円硬貨と同じアルミニウム100%です。直径は22ミリですので、1円硬貨より少しだけ大きいです。重量は1円硬貨と同じ1グラム。
↓ 昭和20年と昭和21年の「稲10銭アルミ貨」。左下の1円貨より少し大きい
↓ 手許には6000枚あります(1箱に1000枚入っています)
6000枚すべてを規則正しく並べますと、それだけで半日を費やしてしまいますので、6つのうち1箱(1000枚)だけを並べました
↓ これです。10枚×10列×10段で1000枚です
↓ 近づいて撮影します
↓ さらに近づいて撮影してみます
↓ 規則正しく並べられていた「稲10銭アルミ貨」をグシャグシャに崩します
↓ 近づいて撮影します
↓ さらに近づいて撮影してみます。美しい・・・・かな。
「稲」と「桜」のシンプルながら私好みの意匠です。この「稲10銭アルミ貨」ですが、戦後のわが国を統治していたGHQによって「日本国」や「大日本」といった表記は認められず「日本政府」となっています。
戦後すぐに発行されたものの、急激なインフレによって、円未満の「銭」の単位の貨幣は殆ど流通する機会が無かったようで、現在でもアルミニウムの美しい輝きや光沢を持つものが多いように感じます。6000枚のうち半数は70年以上経過した今もキラキラ輝いていますし、ほぼ未使用と思われるような状態のものも珍しくありません。
次回からはいよいよ「錫(スズ)」の貨幣になります。戦時中の物資の不足で銀も銅もニッケルもアルミニウムも底をつき、終戦間際から戦後すぐの時期には、ついに非常に軟らかくて硬貨には適さない「錫」の貨幣が発行されました。これらを紹介していきます。