私は長期間にわたる大学野球ファンですので、「東都」といえば「一般財団法人東都大学野球連盟」のことを、いの一番に連想します。野球ファンでなくても、「東都」は「東京六大学」と並ぶ大学野球界の名門リーグというイメージがあると思われます。
また、テレビドラマや映画、マンガなどで架空の大学名として「東都大学」や「帝都大学」、「英都大学」、「京浜大学」、「慶明大学」、「稜青大学」などが使われていますが、「東都大学」は野球連盟の非常に大きな知名度があるため、架空の大学群のなかでも最も馴染みやすく名門らしさを演出する大学名だと思っていました。
それもそのはず、「東都大学野球連盟」という名称は１９３６年(昭和１１年)から８０年以上にわたって日常的に使われています。この「東都大学野球連盟」には名門大学が数多く所属し、大学球界では最もレベルの高い野球を披露しています。
それだけに、ベースボールマガジン社からは「東都大学オフィシャルガイドブック」が発行されています。「東都」は「東京六大学」と並んで最も注目を集めている大学野球リーグで、大学野球の聖地と呼ばれる「明治神宮野球場」でリーグ戦のすべての試合が行われるのは「東都１部リーグ」と「東京六大学」のみです。これ以外のリーグに所属している大学は、明治神宮野球場で開催される試合に出場するにはそれぞれの地域のリーグで優勝するなど、高いハードルをクリアしなければなりません。
↓ 今春の「東都大学オフィシャルガイドブック」
さて、先ほど「架空の大学名」では「東都大学」が馴染みやすいと書きましたが、これはすでに過去の話になりまして、今年４月１日からは「東都大学」は実在する大学になりました。
↓ 「東都大学」のホームページより
この「東都大学」、２００９年に東都医療大学として開学し、埼玉県深谷市と千葉市美浜区でヒューマン学部と管理栄養学部を運営しています。今年４月、東都医療大学から「東都大学」に名称変更。従来からある野球の名門リーグの名称と重なっています。
この「東都大学」は看護師や保健師、助産師、栄養士、管理栄養士、理学療法士などを養成する大学であるためか、大半の学生は女性のようで、硬式野球部はありません。いずれ硬式野球部は発足した場合、仮に「首都大学野球リーグ」に所属したら、「首都大学リーグの東都大学」、また仮に「東京新大学野球リーグ」に所属したら、「東京新大学の東都大学」ということになり、なんだか混乱しそうです。
「東都大学」が「東都大学野球連盟」に所属することなれば最も面白いのですが、東都大学野球連盟所属の大学は長く１部～４部まで２１校固定となっており、新規加盟が認められるとは考えづらいと思います。
それ以前に、この「東都大学」は医療系学部が中心の大学で、比較的規模も小さいようですので、将来的に硬式野球部が発足することも難しそうです。すこし残念です。
