本来ならば明日(5月10日)が大相撲夏場所の初日のはずだったのですが、4月3日の臨時理事会で2週間の延期が決まり5月24日が夏場所の初日に・・・、と思ったら、5月4日に「夏場所開催中止」が発表されました。
名古屋場所も2週間延期して7月19日が初日の予定ですが、開催地を名古屋から東京に変更して無観客開催を目指すとのことです。
緊急事態宣言が5月末まで延長された状況下では、残念ですが夏場所(5月)の中止は仕方がないものと諦めますが、7月までには新型コロナウイルス感染の勢いが弱まり、7月場所がどのような形でもいいので開催されるよう切に願うばかりです。
日本プロ野球も6月19日開幕に向けて準備を本格化しているとの報道もあります。一日も早く通常の状態に戻ってほしいと思います。
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さて、私は大相撲やプロ野球を観戦する際に最も期待しているのは、滅多に見ることができない大記録や珍記録が目の前で起きることなんです。といっても、大記録や珍記録などそうそう滅多に現れることなどありません。ほとんどの場合は、書物や雑誌、資料などで知ることになりますが、見事な珍記録には惚れ惚れしてしまうことがあります。
2年前の6月18日のブログ記事でも、昭和40年5月11日の、巨人×広島戦の4回オモテに発生した、日本プロ野球史上唯一の「キャッチャーライナー」を取り上げました。私、個人的にはこの「キャッチャーライナー」が日本プロ野球史上最大の珍事だと思っています。
↓ この記事です
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さて今日は大相撲と日本プロ野球の珍記録をそれぞれ1つずつ紹介したいと思います。ただ、「はてなブログ」を書いたり読んだりされている方は博識な方が多いので、すでに知っていることかもしれません。知っている方はスルーしてください。
まず大相撲の珍記録から。昭和36年9月場所、東張出小結の前田川の星取表をご覧ください。
〇●●〇● ●●●●● ●●●●● 2勝13敗
柏羽若大北 栃大佐青明 栃出羽琴鶴
黒乃 葉 田ノ武 ノ羽黒ケケ
戸花花鵬山 光晃山里谷 海錦山濱嶺
この場所2勝13敗の前田川ですが、初日に柏戸、4日目に大鵬とのちに「柏鵬時代」と呼ばれる一時代を築く2人の大関を撃破したものの、他の力士には全敗。しかも前田川に敗れた柏戸と大鵬はともにこの場所は12勝3敗の好成績で場所後に揃って横綱に昇進しています。それだけに極めて珍しく印象に残る星取表となっています。
前田川は岩手県出身、激しい突き押し相撲を武器に昭和30年代後半の数年間は幕内上位で活躍し「突貫小僧」の異名がありました。
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次にプロ野球の珍記録です。昭和13年7月3日に阪神甲子園球場で行われた、阪急×イーグルス 3回戦のスコアをご覧ください。イーグルスのエース亀田投手が阪急打線を散発4安打で完封勝利を挙げた試合です。
計
阪 急 000000000 0
イーグルス 10000000X 1
勝利投手 亀田(11勝5敗) 敗戦投手 重松(1勝1敗)
ここまでは特に珍しいことはありません。では阪急打線のこの試合での打撃成績をご覧ください。
打安点振球
(9) 西 村 30001
(7) 山 田 44000
(5) 黒 田 40010
(8) 堀 尾 40010
(3) 宮 武 30000
打 浅 野 00001
(6) 野 上 30001
(4) 宇 野 20001
打 山下好 10010
(2) 大 原 20011
打 山下実 10010
(1) 重 松 30010
計 30 4065
4安打完封で敗れた阪急の中で、2番打者の山田伝1人が4安打を放って気を吐いた試合。こうした例は日本プロ野球史上他に例がありません。かなり珍しい出来事だと思います。
この山田伝(やまだ でん)選手は俊足巧打で知られ、戦前2度の盗塁王に加え5年連続打撃10傑入り。守備の際にはどんな打球でも身体の中央のヘソの部分で捕球したことから「ヘソ伝」と呼ばれ人気を博していたそうです。