国際情勢は日々刻々と変化していますので、10年に一度くらいは新しい世界地図を買い求めているのですが、普段は長年使い慣れた高等学校の地理Bの授業で使っていた地図帳をすぐ手の届くところに置いています。
私が高等学校で地理Bを履修していたのは高校1年の時ですので、昭和54年(1979年)に購入したものです。40年以上も前の地図ですので当然のことながら、地図に記載されていることは現在とは異なっていることがたくさんあります。
例えば・・・・
↓ ソビエト社会主義共和国連邦・・・
↓ 西ドイツと東ドイツ・・・
のちに独立するスロベニア、クロアチア、ボスナ=イ=ヘルツェゴビナなどの国名が見えます。
あ、ビルマの西側にバングラデシュがありますが、この地図帳よりももう少し古い地図ですと、ここは「パキスタン」になっています。この当時は東パキスタン(現在のバングラデシュ)と西パキスタン(現在のパキスタン)があり、東パキスタンが1971年に分離独立してバングラデシュになりました。
私が子どものころに夢中になって読んでいた学習百科事典では、1968年ごろのインド周辺の地図が載っています。
↓ これです
現在のバングラデシュはパキスタンとなっています。また現在のスリランカはセイロンになっています。セイロンは1972年にスリランカに改称しています。
ついでに、この百科事典のインドシナ半島の地図もご覧ください。
↓ これです
先ほども紹介しましたビルマは現在ではミャンマーになりましたし、ベトナムは1976年7月の統一の前の地図ですので、北ベトナムと南ベトナムと、別々の国家になっています。
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余談ばかりで申し訳ありません。でも世界地図って眺めるだけでも楽しいですよね。
これまでに示した地図以外にも、当時から変更になった事柄は無数にあります。私はこの当時から現在に至るまで国際社会の変遷をリアルタイムで見てきましたので、どこがどう変わったのかを大雑把ではありますがなんとなく把握しています。ですので、40年前の地図帳でもそれほど困ることなく現在でも利用できます。
国際情勢の変化に伴い、地図も移り変わり、その変わる様子をも楽しんでいるのですが、一点どうしても馴染めない点があります。それは「日付変更線」です。
↓ 以前の「日付変更線」。写真中央を南北にほぼ一直線に走っています
経度180度線から大きく外れるところはありませんでした。
ところが1995年に「日付変更線」の一部が東に大きく迫り出してきます。
↓ 現在の「日付変更線」
ハワイ諸島の南側、ソシエテ諸島の北側、西経150度線まで大きく迫り出しているのが判ります。
1979年に独立したキリバスという島国が赤道付近に350万平方キロメートルもの広大な海域面積を有し、33もの環礁が点在しているのですが、広大なキリバス海域を日付変更線が縦断していたため、同じ国家でも地域(島)によって日付が違うという不便さが生じていました。それを解消すべく1995年にキリバスの海域東端(西経150度)にまで日付変更線をずらしたんです。その結果、キリバスの東側のライン諸島あたりはグリニッジ標準時よりも14時間早い、世界一早く日付が変わる国となりました。
キリバス国内の日付を統一する目的は理解できますが、経度180度を基準とした日付変更線を東へ30度も迫り出した現在の日付変更線はなんとなく馴染めません。批判しているというわけではなく、単純に東へ大きく迫り出して迂回する日付変更線の形がやや美しさに欠け、なんとなく好きになれないというだけなんです。
では、どうすればよかったのかと問われても良い案は出せないんですけどね・・・。