勤め先の会社では、唯一の「公害防止管理者(騒音・振動)」の有資格者である私は、本来であれば社内ではもう少し優遇されてもいいんじゃないかと思うんです。というのも、勤め先の工場には大型油圧プレス機があり、振動を近隣の住宅や店舗などに与えてしまう可能性があるため、公害防止管理者(振動)の有資格者を2名置いておく必要があるからです。
ところが、勤め先の工場はすでに定年退職した2名(うち1名は故人)の公害防止管理者の有資格者を選任して役所に届け出ていて特に困っていないので、現在唯一の有資格者といっても大切に扱う必要などないんです。
それどころか、「公害」と名の付く資格を有していることから・・・・
「公害」→「汚物」→「ゴミ」という連想をしているらしく、工場内の廃棄物処理をさせられています。周囲の人々の無理解に起因して国家資格を有しているために不利益を被っている典型的な例だと思います。
で、工場の人々が廃棄物の分別などに協力してくれればまだいいんですが、実態は酷いもので、心を折られそうになることもしばしばあります。
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工場には、産業廃棄物を投げ入れておくと専門業者が回収してくれる「産廃ボックス」(業者によっては、クリーンボックスとか産廃コンテナと称しているようです)という便利な箱を設置しています。
↓ 産廃ボックスが2つ並んでいます(通常は1つ)。横幅約2m×奥行約4m×深さ約1.5m
この産廃ボックスには原則として工場内で発生する廃プラスチックや紙くず、木くず、金属くずなどを入れますが、ときどき入れてはならない家庭の生ゴミを自宅から持ってきてこの産廃ボックスに投げ入れる非常識な者がいるので本当に困ります。生ゴミがあると、産廃ボックスの上にハエがたかっているのが遠くからでも確認できますのですぐに判ります。
先日も大量の家庭生ゴミなどが投げ入れてありましたので、生ゴミの入った袋を開封して犯人捜査をします。ほとんどの場合は生ゴミに混じって住所や名前の書いてある郵便物や公共料金の領収書などが見つかりますのですぐに犯人を特定できます。
割り出した犯人(40代半ばの独身男性、工場の作業員)と私のやり取りを対話形式で記します。
わたし「〇〇さん、産廃ボックスに家庭の生ゴミ入れてませんか・・・」
犯 人「え? いや、そんなことしないよ」
わたし「ゴミの中身を確認したんですが、〇〇さん以外に考えられないんです・・・」
犯 人「いや、知らないって。ゴミなんか絶対捨ててないって」
わたし「ゴミの中から、〇〇さんの電気料金の領収書が見つかっていますが・・・」
犯 人「あー、そうなんだ・・・」
わたし「〇〇さんですね、生ゴミを捨てたのは」
犯 人「あー、そうそう、今思い出した。今朝ゴミ捨てたな・・・」
わたし「産廃ボックスに家庭ゴミを入れられると非常に困ります。持ち帰って下さい」
犯 人「持って帰るなんてできないよ。ゴミ、すごいニオイがするんだから・・・」
わたし「そのすごいニオイを我慢して〇〇さんのゴミを開けて調べたのは私ですが」
犯 人「家庭ゴミも産廃と一緒に回収してくれ、と、産廃業者に頼んでくれよ」
わたし「そんなことできませんよ。それに、〇〇さんのゴミ袋には酒の四合瓶、ア
ルミ缶、刃がむき出しのカミソリ、大量の水銀電池、スプレー缶も入って
ましたよ。それから10円玉や1円玉などの現金もありましたよ」
犯 人「工場内のゴミ処分はあんたの役割だろ、自分の好きなように分別でもなん
でもすりゃいいだろ」
わたし「とにかく、持ち込んだ家庭ゴミは持ち帰って下さい」
犯 人「いやだ、オレはここにゴミを捨てる!そう決めてきたんだ」
わたし「話になりません。△△部長に報告します」
家庭ゴミを持ち帰らないと言い張るため、この工員が所属する部署の部長に報告し、お灸をすえてもらいました。実は私の勤め先にはこのような非常識な職員が何人もいまして、平気でウソをつく、都合の悪いことは聴こえないフリをする、などは日常茶飯事です。私の場合はお取引先の方々とは良好な関係を保っていますので、敵は外部ではなく内部が圧倒的に多いです。
それから、このような非常識な人々の常套句が、「あ、今思い出した」なんです。明日はこの常套句が用いられた事例をもう一つ挙げてみます。