第103回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園大会)は、和歌山県代表の智弁和歌山高校が智弁学園(奈良)を9-2で下し、21年ぶり3回目の優勝を決めました。
今年の夏の大会はコロナ禍による無観客試合や2校の出場辞退、降り続く雨の影響による大会日程の大幅な変更などがあり、強く印象に残る大会となりました。
高校野球は小学校4年生だった昭和48年(1973年)ころから観ていた記憶がありますので、あと2年くらいで観戦歴は50年となります。
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さて、標題にもありますように、夏の高校野球の参加校数は平成14年(2002年)と平成15年(2003年)の4163校をピークとし毎年減り続けており、今年の参加校数は3603校にまで減少しました。少子化傾向に歯止めがかからず、高校の統廃合が進んでいることから、今後参加校数が増加に転じることは考えにくいと思います。
少子化の影響は、高校以外も含めた学校運営や教育産業、スポーツ業界、出版、娯楽などさまざまな分野の縮小化を招いており、高校野球もその例外ではありません。
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また今大会を通じて、数日間雨が降っただけでも大会運営が窮地に陥ることが判りました。また、将来ある選手の身体への負担軽減策にも本腰を入れなければならないとの声も年々高まっています。
これはあくまで個人的な考えになりますが、猛暑の8月の半月の間に甲子園球場のみを会場として48試合も消化することそのものを考え直す時期に差し掛かっているのではないかと思っています。
半世紀近く観戦してきた高校野球です。嫌いになったわけではありませんが、参加校数が著しく減少していることは事実ですし、高校野球に対する国民の視線が微妙に変化し、高校野球だけが特別視され、優遇されていた傾向が徐々に薄らいできていることも感じます。
そろそろ昭和53年(1978年)から今日まで定着した全都道府県から1校ずつ(北海道と東京は2校)出場できる制度の見直しや、昭和38年の第45回大会以来となる甲子園球場以外の球場の使用などを検討してもいいのではないかと思っています。
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繰り返しになりますが、高校野球が嫌いになったわけではありません。現在の運営方針を批判したり疑問を投げかけているわけでもありません。その点はどうかご理解いただきたくお願いいたします。そもそも1日に訪れる方が約120人、つまり国民の100万人に1人しか読んでいないこのブログには世論に影響を及ぼす力などありません。ここで申し上げる夏の高校野球の見直し案がすぐに実現などするわけがありませんのでご安心ください。
今日は平成14年と平成15年にピークとなった全国の参加校数の今年までの推移を紹介し、8月31日、9月5日、9月7日の投稿で、夏の全国高校野球大会のこれからの運営について考えるところを申し述べたいと思います。
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◎夏の全国高等学校野球選手権大会参加校数推移
平成14年(2002年) 4163校(前年比 +13)
平成15年(2003年) 4163校(前年比 +0)
平成16年(2004年) 4146校(前年比 ▲17)
平成17年(2005年) 4137校(前年比 ▲9)
平成18年(2006年) 4112校(前年比 ▲25)
平成19年(2007年) 4081校(前年比 ▲31)
平成20年(2008年) 4059校(前年比 ▲22)
平成21年(2009年) 4041校(前年比 ▲18)
平成22年(2010年) 4028校(前年比 ▲13)
平成23年(2011年) 4014校(前年比 ▲14)
平成24年(2012年) 3985校(前年比 ▲29)
平成25年(2013年) 3957校(前年比 ▲28)
平成26年(2014年) 3917校(前年比 ▲40)
平成27年(2015年) 3906校(前年比 ▲11)
平成28年(2016年) 3874校(前年比 ▲32)
平成29年(2017年) 3839校(前年比 ▲35)
平成30年(2018年) 3781校(前年比 ▲58)
令和 元年(2019年) 3730校(前年比 ▲51)
令和 2年(2020年) コロナ禍で中止
令和 3年(2021年) 3603校(前回比 ▲127)
このようにどんどん減っています。特にここ数年の減り方は勢いを増しており、参加校数が3568校だった昭和58年(1983年)の水準にまで戻ってしまいました。